急に気温が下がり、体調管理が大変な日々が増えてまいりました。
今回は、溶融亜鉛めっきについて書きたいと思います。
溶融亜鉛めっきとは、高温で溶かした亜鉛に鋼材を浸し、表面に亜鉛皮膜を形成する技術です。
亜鉛めっき加工を施した鋼材は、錆や腐食が発生しません。
塗装や電気めっきなどとは異なり、亜鉛と鉄から形成される「合金層」により、亜鉛と鉄が強く金属結合しているため、
長い年月を経てもめっきがはがれることがありません。
溶融亜鉛めっきの防食機能には、
①保護皮膜作用
②犠牲防食作用
という2つの大きな特徴があります。
①保護防食作用
錆びを防ぐ「保護皮膜作用」は、亜鉛めっきの表面に空気や水を通しにくい亜鉛の酸化被膜が形成されるため、錆を生じにくくする作用です。
②犠牲防食作用
腐食を防ぐ「犠牲防食作用」は、亜鉛めっきに万一キズが発生し、素地の鉄が露出したとしても、キズの周辺の亜鉛が「鉄より先に溶け出して」電気化学的に保護するため鉄を腐食させない作用です。
四方を海に囲まれ、湿度が高い我が国で、社会資本のベースとなる「鉄」を「錆びない・腐食しない・環境と調和する」新たな素材へと生まれ変わらせる「溶融亜鉛めっき」は、「リユース・リデュース・リサイクル」の高度な循環型社会を実現する優れた加工技術なのです。
亜鉛めっきが使用されている場所
亜鉛めっきは、道路・鉄道・電力・造船・土木・建築・農業・水産と幅広く使用されています。メンテナンスの困難な箇所や、メンテナンス費が高い箇所に亜鉛めっきを適用すると効果的です。
道路用 ガードレール・照明灯・標識柱・防音壁・橋梁
道路用 駅舎・車輛庫・架線柱
電力用 送電鉄塔・架線金具
土木用 下水道・落石防護壁・防雪柵
建築用 住宅・フェンス・工場プラント・仮設機材・駐車場
農業水産用 温室・サイロ・果樹棚・生け簀
レジャー用 スキーリフト・ウォータースライダー・ボート架台